義足の五輪メダリストエイミー・パーディーさんの人生を自分で切り開く力

義足の五輪メダリストエイミー・パーディーさんの人生を自分で切り開く力 リーダーの言葉の力

 

エイミー・パーディ(Amy Purdy)さんは、マッサージ・セラピストになることと、スノーボードを片手に世界を旅することを夢見る高校生でした。

 

その夢を実現するために引っ越したコロラドで、いつものようにマッサージをしていたところ、かつて経験したことのない疲労感に襲われました。

少し休めば大丈夫だろうと思っていたのですが、症状はどんどん悪化して早退。

 

悪い風邪でも引いたのだろうと病院に行くのですが、最初のクリニックでは原因は分からないまま、どんどん悪化していくばかり。

いくつもの病院で診察や治療をうけて辿り着いた専門医で、細菌性髄膜炎という難病だと診断されます。

 

医師の助言により、なんと両足を膝下から切除することになりました。

さらに脾臓や腎臓も失い、生きる希望も失われたかに見えました。

 

「強い思い」が運命の扉を開く

「多くの困難があることは、分かっていました。でも自分で決めたんです。夢を追い続けると…」

 

生きるためには、どうしても腎臓が必要でした。

それはお父さんから移植されたそうです。

そしてスノーボードを続けるためには、義足で立ち、歩き、走り、そしてスノーボードに乗らなければなりません。

 

激しく厳しいリハビリは、精神力で乗り切りました。

そして、なんと手術の7ヶ月後にゲレンデに立ったそうです。

 

ところが、最初は転倒のはずみで義足が簡単に外れてしまったそうです!

偶然、見ていたスキーヤーが、脚と身体がバラバラになったエイミーさんの姿に腰を抜かしたそうです。

 

当時は、スノーボード用の義足など存在しなかったのです。

普通ならくじけてしまいそうですが、彼女は「適切な義足さえあれば、絶対にスノーボードができる」と考えました。

 

なんと彼女は、自分の夢を叶えるため、最高の義足を探し求めました。

しかし、無いと分かると、自分で義足をデザインし、それを作り上げたのです。

 

2014年、ソチ・パラリンピックのスノーボードで見事銅メダルを獲得したエイミーさんは、その足でロシアからロサンゼルスに向かったそうです。

ダンス選手権に出場するためです。

 

実は、スノーボードだけでなくダンスにも挑戦した彼女は、そのための義足も工夫に工夫を重ね、最高のパフォーマンスができるようになりました。

世界的な大会でも、両足を失いながらも激しく情熱的に踊るエイミーさんは、そのハンディを抜きにしても高い評価を受けています。

 

「アメリカ三大ネットワークのひとつであるABC系列のテレビ番組「Dancing With the Stars (DWTS)」は日本の「芸能人社交ダンス部」のような番組ですが、そこで素晴らしいパフォーマンスを見せたエイミーさんは、全米を感動の渦に包み、多くの人に勇気を与えました。

 

自分が成し遂げたことに自分自身が驚く!

彼女は語ります。

「何かをしようとする衝動に駆られたなら、それに流されてしまえば良い。行動さえ起こせば、終わったときに自分が成し遂げたことに、自分自身が驚くはずよ」

 

奇跡は訪れるのではなく、呼び起こすものでもない

 

人生、誰もがどこかで大きな挫折を味わいます。

そして必ずそれを乗り越えながら成長していきます。

 

しかし、挫折や苦難を乗り越えて、自分には不可能と思えるような、誰もが驚くようなことを成し遂げた人に対して、「奇跡」という表現をします。

でも、その奇跡を成し遂げた人たちにとって、それは「必然」でしかありません。

そうなりたいと強く願って努力した結果です。

 

「不可能」とあきらめるのではなく、小さな可能性が見い出せるのなら、それをとことん追求する姿勢と努力が「夢」を現実にするのです。

 

彼女の周りで奇跡が起こったのではありません。

彼女が奇跡を起こしたのでもありません。

 

周囲の人が、彼女の結果を見て「奇跡」と思うだけであって、彼女にとっては、やりたいことを追い続けた結果得られた必然なのです。

そこにあったのは、実現できるという「ポジティブな発想」。

「為せば成る」という楽天的な発想。

 

そして、やってみたいという好奇心が、彼女の起動のスイッチを入れました。

 

動き始めると不思議なことに、彼女が頭の中で思い描いていたことが、一つひとつ現実となりました。

イメージは現実化するのです。

 

ポジティブな想像力は、ポジティブな現実世界の創造につながるのです。

あなたは、他人が奇跡と思うことを、必然として成し遂げる力を持っています。

 

あなたが夢を実現できるかどうかは、熱い思いを持って、成し遂げようという一念を持って挑戦するか、しないかの違いだけなのです。

 

今、何章目を生きていますか?

2015年6月、セントルイスで行われたNATA全米アスレティック・トレーナーズ協会の年次総会の特別講演のスピーカーとして、ソチ・パラリンピックのスノーボードで銅メダルを獲得したエイミー・パーディさんが招かれました。

TEDと呼ばれるスピーチ・コンテストでも有名になったエイミーさんの講演に、6000人のトレーナーが集まりました。

 

「あなたは自分自身の人生という本の著者ですか? 今、あなたは何章目を生きていますか? あなたの人生の次の章は、どうなりますか?」

というオープニングでの意外な問いかけに、聴衆は釘付けにされました。

 

細菌性髄膜炎という病気から、両足切断を余儀なくされたエイミーさん。

両足切断の手術が終わり、届いた醜い義足を見て失意のどん底にいた彼女は「自分の人生の次の章を書くのは、自分自身だ!」という想いに駆られたそうです。

 

義足が合わないと嘆くのではなく、自分に合う義足は自分で作ると決めたエイミーさん。

「自分でデザインすれば、身長だって変えられるのよ。彼とのデートでは、彼より背が低くなる義足を選ぶし、お出かけのときは脚が長く見えるものを使うの。私は、皆さんと違って足の大きさを変えられるから、どんなサイズの靴でも気に入ったら履けるのよ!」

 

と明るく語る姿に会場は、爆笑の渦に巻き込まれました。

私も、その前向きさに身が震えるほど感動した一人です。

 

自分でデザインした義足でスノーボードの世界に復帰しただけではありません。

彼女の挑戦は留まることを知らず、非営利団体「アダプティブ・アクション・スポーツ」を立ち上げて、スノーボードやスキーを愛する身体の不自由な人々へのサポートを行い、洋服のデザインを手がけ、世界中での講演をこなしながら、ついに初めての本『AMYPURDY On May Own Two Feet」も書き上げました。

 

「自分の人生の次の章に何をするか、何をしたいのか、自分で決めて良いのだと、私は気付くことができました。

だからこの足に感謝しています。

あなたは、ご自身の人生の著者なのです。あなたの本の次のチャプターには何を書きますか?」

 

そう講演を締めくくられたエイミーさんの人生の本には、6000人の鳴り止まない拍手とスタンディング・オベーションが書き加えられました。

 

エイミー・パーディーさんと言えば、2016リオ・パラ五輪開会式にて3Dプリンタ製のドレスを着ながらロボットと踊ったダンスが印象的でした。

 

 

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