リーダーの思いやりの心『恕(じょ)』を育てる3つのコツとは?

リーダーの思いやりの心『恕(じょ)』を育てる3つのコツとは? リーダーの言葉の力

 

リーダーに求められる資質については議論がありますが、思いやりの心『恕』を育てることは最大の能力を発揮する強いチーム作りのための基礎と言えます。

今日はこの思いやりの心を育てるための方法についてご紹介します。

 

漢字一文字の『恕(じょ)』は思いやりを表す

私がアドバイザーをさせていただいている「NECレッドロケッツ」の本拠地、武蔵小杉でとんでもないイベントが行われると連絡がありました。

「第8回階段駆け上がりレース」川崎大会。

 

そこに救急救命の普及活動でご一緒させていただいているプロレスラーの蝶野正洋さんも駆けつけるとのこと。

これは、地元代表として応援に行かなければなりません!

 

このイベントのスペシャルゲストとして登場された蝶野正洋さんは、闘魂三銃士として8年代から8年代にかけて大活躍されましたが、その圧倒的な存在感は健在で、大晦日の人気バラエティー番組でも活躍されています。

最近では、NHKのEテレの子ども番組にも「蝶野教官」として子どもたちにも大人気なのです。

 

見た目にはちょっと怖そうな蝶野正洋さんですが、実は一般社団法人ニューワールドアワーズスポーツ救命協会を立ち上げ、AEDや救急救命の普及活動に尽力されています。

この日も、『救助を待つだけでなく、市民が自らの命を守れるような社会を作りましょう!』と挨拶され、率先して心肺蘇生の実践をしたり、子どもたちに指導をしたりもされていました。

 

あるイベントで蝶野正洋さんに、若いトレーナーさんが質問をしました。

「蝶野さんの座右の銘は、何ですか?」

 

その質問に「思いやりかな!」とお答えになり、会場がどっと沸きました。

蝶野さんの雰囲気からすると意外な言葉だったからです。

 

「プロレスもね、圧倒的な力と同時に、対戦相手への思いやりがあってはじめて人に感動をしていただける試合をし続けられるんだよ!」

と、蝶野さん。

他の人を思いやる心がプロレスでも必要とされるって、ちょっと驚いてしまいました。

 

「やっぱり人命救助でもスポーツでも、『恕(じょ)』の魂が必要なんですね」

と言うと、隣に座っていたトレーナーさんに、「岩崎さん、恕(じょ)って何ですか?」と尋ねられました。

恕(じょ)はね、思いやりを表す漢字だよ。見た目は怒りに似ているけどね!」と説明すると、知らなかったとおっしゃいました。

 

それで、周りにいた他の人たちにも聞いてみると、やっぱりほとんどの方がご存知ない。

100パーセントの方が、見た目にはよく似た「怒」の漢字のほうはご存知なのに!

 

「女」の「口」に「心」と書いて「恕(じょ)」と読みます。

辞書には「自分を思うのと同じように相手を思いやる。思いやり。ゆるす。自分に引き比べてみて、他人を寛大に扱う。また、同情して相手を咎めずにおく」と解説されています。

そして、訓読みでは「ゆるす」なのです。

 

寛大の寛と合わせて「寛恕」にすると「心が広くて思いやりのあること。また、そのさま。過ちなどを咎めだてしないで許すこと」という意味になります。

また「仁恕」は、情け深く思いやりがあることという意味です。

 

「恕」はポジティブシンキングから生まれる

リーダーに求められる要素に「ポジティブ」があります。

しかし、この活動を通して感じていることに、「ポジティブシンキング」への誤解があります。

 

「ポジティブシンキング」を正しく理解していらっしゃる方も多いのですが、否定的な方というのは、そもそも「ポジティブシンキング」を誤解されているようです。

否定派の多くは、「ポジティブシンキング」というのは「ネガティブな状況も楽観的に捉える」ということに対してどうも受け入れ難いらしく、物事を悪いほうに悪いほうに捉えるという思考習慣をお持ちのようです。

 

会社経営やプロジェクトマネジメントの「危機管理」を行ううえで、最悪の状況が起こり得ることを前提に準備をしておくという発想があります。

しかし、その発想からすると「ポジティブシンキング」というのは楽観的に物ごとを捉えて「悪いことが起こるという前提はない」とか、「悪いことは起こらない」という前提に物事を考えるという思考習慣であるかのような誤解があるのです。

 

実際には、良かろうが悪かろうが、今置かれている現状をすべて受け入れ、後を振り返るのではなく、前を見て、そこからの目標達成を考えるという思考なのです。

良くても悪くても現状を「有り難い」と捉えることができるからこそ、前を向くことができるのです。

 

楽観的な状況と悲観的な状況の中間地点に立って、楽観的要因(正の要因)を見るのか、悲観的要因(負の要因)を見るのかというのではなく、良くても悪くても、現状置かれている状況を「ゼロポジション」として前向きに課題解決に取り組むのです。

 

それはまさしく「屠龍技(とりょうのぎ)」です。

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起こりえないことも想定して準備をしておく。

でも、その悪い何かは起こらないほうが良い。

しかし、万が一何かが起こっても大丈夫。

 

悪い現実を捻じ曲げて明るく解釈しようというのではありません。

悪い現実も、そこからの視点・視野・視座で前を向けば、課題解決の方法が見え、前向きに実践することで課題を解決し、苦境を脱出できるということなのです。

 

思いやりの心『恕(じょ)』を育てる3つのコツ

「恕」は、このポジティブシンキングの現状容認と密接な関係があります。

相手を思いやるためには「目配り」「気配り」「心配り」が必要です。

しっかり話を聴き、相手がどういう状況に置かれているかを察知しなければなりません。

 

そのためには、「目配り」という注意力と観察力を働かせなければなりません。

「気配り」とは、「目配り」で得られた情報から判断して、相手の置かれている立場、状況、精神状態を理解して差し上げる力です。

そして「心配り」とは、さらに進んで「相手が幸せになるため」、「相手が幸せと感じるため」にさじ加減をすることで、「斟酌(しんしゃく)」といいます。

 

つまり、相手に対して「今より良い状況に導く」「今より良い状況を生み出す」という前向き(ポジティブ)な取り組みであり、その前提は「相手が置かれている状況を受け入れる」ことから始まる訳です。

相手の立場や状況を把握するための「傾聴力」、そこから相手の事情や心情に合わせた対応をする「斟酌力」、そしてどんな言葉をどう使うかの「表現力」が必要なのです。

 

いずれにしても、「人を思いやる」ということは、

第1章で述べた「奉」(誰かのために)
第2章で述べた「励」(背中のひと押し)
第3章で述べた「忍」(信じて続ける)
第4章で述べた「謝」(ありがとう)
第5章で述べた「念」(今の思い)
第6章で述べた「練」(自分磨き)

のすべてが兼ね備えられたものです。

 

また、老子は

言葉のなかの思いやりは自信を創る
思考のなかの思いやりは深遠さを創る
与えることのなかの思いやりは愛を創る

とも言っています。

 

恕(じょ)はリーダーであるあなたの心を強く鍛え、あなたの人間性を磨き、あなたの周りの人を幸せにするチカラを持っています。

人の生き方として、人としての生き様として最も美しく、高貴なことなのかもしれませんね。

今、この瞬間から最大の恕(じょ)で、周りの人を幸せにしましょう。

 

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