リオ五輪女子5000mで見た2人のスポーツマンシップ

リオ五輪女子5000mで見た2人のスポーツマンシップ リーダーの言葉の力

 

2016年夏、リオデジャネイロ五輪が盛大に開催されました。

2020年が東京に決定していることから、日本でもスポーツ界に限らず多くの人たちが注目する大きな大会となりました。

 

ご存知のように様々な課題もありましたが、日本選手団は過去最多のメダルを獲得し日本の国民に多くの感動を与えてくれました。

 

さてリオ五輪の陸上女子5000メートル予選で8月16日、接触して倒れた米国とニュージーランドの選手同士が互いを助けあったことが話題になりました。

米国のアビー・ダゴスティノ選手とニュージーランドのニッキー・ハンブリン選手の二人の行動は、まさに「スポーツマンシップ」でありオリンピック精神そのものだったと世界から称賛されました。

 

大きな集団でレースが行われていた女子5000メートル走予選。

約3000メートルを走った第三コーナー付近で、ダゴスティノ選手の足が前を走っていたハンブリン選手の足に触れ、2人とも転倒してしまいました。

 

ダゴスティノ選手が先に立ったのですが、ハンブリン選手はどこかを傷めたのか、ショックが大きかったのか、しばらく起き上がれませんでした。

その様子に気づいたダゴスティノ選手は、泣いているようにも見えたハンブリン選手の元に駆け寄り、脇を抱えて助け起こし「立って。最後までやらないと」と励ましたのだそうです。

 

そして二人が再び走り始めようとした瞬間です。

今度は、助け起こしたダゴスティノ選手の膝が大きく捻られ、崩れ落ちるように倒れてしまったのです。

 

映像で見ても、膝に大きな損傷が起きていることが見て取れるほどでした。

すると今度はハンブリン選手が、助け起こしタゴスティノ選手を励まし始めたのです。

 

しばらく並走をしましたが、大きな異常に気づいたタゴスティノ選手は、ハンブリン選手に先に行くように促します。

身体には大きな損傷がなかったハンブリン選手は、先にゴールしますが、足を引きながら懸命に走り続けるタゴスティノ選手をその場で待ちました。

 

何とかゴールにたどり着き、二人が涙ながらの抱擁を交わした時、スタジアムが揺れました。

二人の行動に、観ている全ての人が感動したのです。

 

ハンブリン選手はレース後に、「先に彼女が助けてくれた。自分も彼女を助けようとした。かなりひどいけがだったので」と話しました。

ダゴスティノ選手は最後までは走れないかと思い、ハンブリン選手は先に走りゴールしたのですが、そのままダゴスティノ選手を待ったのです。

 

足を引きながら懸命に最後まで走り続けたダゴスティノ選手について「あれこそまさにオリンピック精神そのもの」とハンブリン選手は称えたのだそうです。

 

それを知り、驚いてしまいました。

「何をおっしゃいますか!あなたの行動もまさにスポーツマンシップそのもの、いやオリンピック精神のあるべき姿ですよ」と言いたくなるほど感動しました。

 

ライバルに対する敬意、人としての徳のある行動、慈愛や残心の精神、そして互いの行動に対する称賛と感謝。

スポーツを通して学んで欲しい全てがみてとれる素晴らしい出来事。

 

これこそ伝えるべきオリンピックではないでしょうか。

 

国際フェアプレイ委員会(CIFP)は、2016年8月20日リオ五輪終了後、IOCと共に14の候補の中から選ばれた、本大会のフェアプレイ賞を発表しました。

授賞式には、緊急手術のために帰国したタゴスティノ選手の姿はありませんでしたが、ハンブリン選手は「誰だってあの場にいたら同じことをしたと思います。」とあくまで謙虚に受賞の喜びを語りました。

 

さて、二人はこの組の最下位ですから決勝進出はならなかったわけですが、助け合う姿には世界中から多くの称賛が集まり、なんと大会側は決勝出場を認めるという超法規的措置を取ったのです。

 

これにも驚きました。

本当にびっくりしました。

 

今や、メダル偏重、記録優先、スター重視、商業主義、そして初めにルールありきの世界になりつつあるスポーツ界にも、まだ熱き心と思いやりが残っていることに喜びを感じました。

 

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